研究課題
本研究期間中に、新規マルチターゲット型アミロイドーシス治療薬(GUG-β-CDE)の有用性を検証するため、TTR遺伝子の変異により発症するアミロイドーシス(FAP)を対象疾患とし、アミロイドーシス発症過程の各ステップに対する以下の薬効評価・作用機序の解明を実施した。【1】 GUG-β-CDE の原因遺伝子発現抑制効果の評価:FAP患者由来iPS細胞を肝臓に分化させ異型TTRの発現が確認できた時点で、HepG2細胞を用いて確立したGUG-β-CDEの至適チャージ比(キャリア/siTTR)100を用いてTTR発現抑制実験を行ったところ、有意ではないものの抑制傾向が確認された。【2】 GUG-β-CDE のアミロイド線維化抑制作用の評価:CDスペクトル解析により、GUG-β-CDE添加によりTTRアミロイド線維形成におけるTTR内のβ-シート構造が著明に低下し、結果としてTTRのコンフォメーションが安定化し線維形成が抑制されることが明らかとなった。【3】 GUG-β-CDE のアミロイド線維の組織沈着阻害作用の評価:ATTR V30M Tgラットを用いた薬理評価を行った結果、GUG-β-CDE により消化管内におけるTTR沈着は優位に抑制され、GUG-β-CDE 投与による血液生化学的パラメータ(AST、ALT、BUN、CREなど)に対する影響は全く見られなかった。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
J Biol Chem
巻: 291 ページ: 25096-25105
Clin Chim Acta
巻: 458 ページ: 5-11
10.1016/j.cca.2016.04.011.
Amyloid
巻: 13 ページ: 1-7
10.3109/13506129.2015.