研究課題
胚発生過程では、細胞集団が協調的に運動することで器官のような3次元構造を形成します。しかしながら、細胞集団による協調的な運動のメカニズムは不明です。本研究課題では、細胞-基質間ならびに細胞-細胞間の力学量計測を通じて、細胞集団による協調的な運動のメカニズムを解明します。そのために、2次元もしくは3次元環境下で各種細胞株の運動を観察するシステムを構築します。また、細胞集団の周辺のゲル基質を染色し、蛍光像の時間変化から細胞外基質における応力分布を解析するプログラムを開発します。数値シミュレーションを用いることによって、細胞集団の協調的運動に適した数理モデルを構築します。本年度は、細胞や細胞集団が細胞外基質に発生させる力の空間分布を計測する技術を開発しました。これにより、細胞運動と力の方向との相関関係を計測することが可能となりました。また、超解像顕微鏡と免疫蛍光法を用いて、細胞-細胞間に発生した変形を評価することにも成功しました。蛍光標識したコラーゲンゲル中に細胞を培養し、細胞が活動する様子を観察することで3次元環境下での力学量の計測にも成功しました。更には、3次元環境下での細胞の生化学応答を調べることにも成功しています。上皮細胞集団運動モデル細胞を用いて、力を出している細胞とそうでない細胞の空間的な制御に成功しています。更に、生体内での細胞-細胞間接着タンパク質が与える影響を明らかにするために、細胞間接着タンパク質を発現抑制した状況でのゼブラフィッシュの胚発生の異常を見出しています。
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巻: 12(25) ページ: 3366-3373
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Biochemical and Biophysical Research Communications
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http://altair.sci.hokudai.ac.jp/g3/