初期胚未分化全能性細胞やES, iPS細胞の未分化全能性維持に必須であるPOU5f1遺伝子が、出生後の体性組織にも機能している可能性がある。この遺伝子を発現する体細胞の可塑性を探求するために、発現細胞の細胞運命を解析できるシステムの構築を試みた。 さらに、この細胞ががんの発生に関与する可能性を検証した。この細胞の生理的意義や病理的意義を解明することは、体性組織の構築・維持のしくみや、がん・変性症などの疾患の理解につながることが期待できる。様々なヒトがん細胞株で発現するOCT4遺伝子の転写産物と翻訳産物の網羅的同定を実施した。正常組織由来の細胞ではそれらはほとんど発現していないことを確認した。
|