本研究では、まず、蛍光非天然アミノ酸 (fUAA) を膜タンパク質に組み込みその強度変化から構造変化を検出する研究手法の種々の条件を最適化し、次にATP受容体チャネルP2X2を対象として実験を行い以下の知見を得た。(1) ATP投与による活性化時に、様々な部域に導入したfUAAの蛍光強度の変化が観察されグローバルな構造変化が示唆された。(2) 第1膜貫通部位のSer54にfUAAを導入した場合、ATP投与による電流の活性化より蛍光強度の変化は緩徐で、ポアの経時的拡大等の2次的構造変化が示唆された。(3) 膜電位依存的活性化に伴うfUAAの蛍光強度の変化は第2膜貫通部位のT339で観察された。
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