研究課題/領域番号 |
15K15039
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 准教授 (20296552)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 概日リズム / 体内時計 / Bmal1 / AVP / VIP |
研究実績の概要 |
概日リズム中枢・視交叉上核(SCN)の神経ネットワークについて、真の中枢時計として概日リズムを発振するのは一部のニューロンで、他の SCN ニューロンはこの「真の時計ニューロン」に 依存して概日振動を増幅し SCN 外へ時間情報を発信する、との仮説を検証し、「真の時計ニューロン」を同定することを目的とする。 Bmal1欠損マウス(Bmal1-/-)は概日リズムを示さない。まず、AVPニューロンあるいはVIPニューロン特異的Cre発現マウスとBmal1+/-マウスを交配し、Avp-Cre;Bmal1-/-マウス、Vip-Cre;Bmal1-/-マウスを作製した。次に、これらのマウスのSCNに、Cre依存的にBmal1を発現する組換えAAVベクターを局所感染させ、SCNのAVPあるいはVIPニューロンのみでBmal1が発現し細胞時計が機能するマウスを作製した。このようなマウスの概日行動リズムを測定したが、概日リズムは復活しなかった。したがって、SCN・AVPニューロンのみで、あるいはVIPニューロンのみでは、SCNの概日リズム、ひいては行動の概日リズムを発振するのには十分でない可能性が示唆された。現在は、概日リズム発振のためには、AVPニューロン、VIPニューロンの両方にBmal1が発現する必要がある可能性を考え、それを検証すべくマウスの交配などの準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ研究計画の通りに、研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
Bmal1+/-とAvp-Cre, Vip-Creの3系統を交配し、得られたマウスのSCNにCre依存的Bmal1発現AAVベクターを局所投与、AVPニューロンとVIPニューロンの両方でBmal1発現をレスキューした時に、概日行動リズムが回復するか、検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が計画よりも効率良く進んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究調書に従って使用する。
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