研究課題
双極性障害は、躁と鬱の両方が同じ患者の中で観察され、思春期の男女で発症する疾病である。今まで、モデル動物や明確に指標となる動物での実験法もなかった。我々は、Piccolo という分子が双極性障害に関係していることを示唆する結果を培養細胞を用いて27年度までに示していた。28年度は,AAVベクターを用いて、Piccoloの発現量を前頭前皮質で減少させ、行動の変化を検討した。その結果、多動やうつ様の症状が発現し、双極性障害様の症状を観察することができた。また、これらの症状は臨床で使用されている抗精神病薬の投与で緩解された。電気生理システムを用いて、線条体での神経伝達速度が減少していることも見出していたが、28年度には、実験するマウスの個体数を増やし、再現性を確認し、確固たるデータであることを確認した。in vivo マイクロダイアリシス方と光刺激反応実験を組み合わせ、他には報告のない、マウスでのオプトジェノエテッィス+マイクロダイアイリス法を28年度には確立した。それらの方法を用いて、双極性障害の原因と考えられているドパミンやグルタミン酸のような神経伝達物質の放出メカニズムが関与していることを見出した。これらの実験手法やモデル動物は、今までに報告のなかったものであり、双極性障害の治療薬の創生に結びつけることが可能と考えられる。本研究を、今後は基盤研究などで申請し、日本発の精神病薬に結ぶつけるためにモデル動物としての妥当性を明確にする予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 10件、 招待講演 3件) 備考 (3件) 産業財産権 (1件)
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