現在まで18のユビキチンリガーゼ遺伝子についてプローブを作製し、解析を行っている。 ①基質を効率よく捕獲できるユビキチンリガーゼプローブの開発:FLAGタグ、ユビキチン高親和性ドメイン(TUBE=Tandem Ubiquitin Binding Entity)をユビキチンリガーゼのアミノ末端またはカルボキシル末端に配置し作製を行った。ネガティブコントロールとして、ユビキチンリガーゼ活性を欠失した変異体を用いたプローブの作製も同時に行った。 ②プローブを安定に発現する細胞株の作製:CMVプロモーターの下流に接続したプローブ人工遺伝子を細胞内に導入を試みたところ、およそ半数のプローブについて安定発現株を取得できた。残り半数については、Tetシステムなどの誘導型発現系を用いた導入を検討中である。 ③高感度質量分析器による網羅的解析:各安定発現細胞株よりユビキチン化タンパク質を精製し高感度質量分析器にて網羅的に同定を行った。樹立した細胞株の半数程度で個々のユビキチンリガーゼ特異的な基質を思われる候補分子を同定した。 ④同定された基質候補のユビキチン化アッセイによる妥当性評価:同定した基質候補に対して、細胞内ユビキチン化アッセイによる妥当性の評価を開始している。基質候補遺伝子をクローニングし、レトロウイルスベクターなどを用いて安定に発現する細胞株の樹立を行っている。樹立した細胞にユビキチンリガーゼ遺伝子をノックダウンまたは過剰発現させて検討を行う。
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