研究課題
本研究で開発しているユビキチンリガーゼ(E3)基質同定法の手順は、1.プローブを作製し、2. プローブを細胞に安定発現させ、3. プローブが捕獲するユビキチンリガーゼの基質を抗FLAG抗体で免疫沈降し、4. トリプシンによって消化し、5. ユビキチンレムナント抗体(K-eGG抗体)の利用によりユビキチン化を受けたペプチドのみ再精製を行い、6. IonTrap-Orbitrap型質量分析器にて検出、という手順からなる。まず条件を検討する中で、下記の点に留意する必要があることが明らかとなった。①プローブを安定に発現する細胞を用いる必要がある。(多くのプローブで、一過性に過剰発現させた細胞では基質候補の同定に至らなかった)②E3とTUBEを融合させたプローブを用いる必要がある。(多くのプローブで、E3とTUBEを独立して用いると基質候補の同定に至らなかった)③E3とTUBEの最適な融合部位はそれぞれのE3によって異なりE3ごとに検討が必要である。④プローブの発現量に応じ、用いるサンプルの量を増減させる必要がある。これらの留意点を踏まえて、現在まで21のE3遺伝子についてプローブを作製し、プローブを安定に発現する細胞株の作製を試みた。このうち、10のE3遺伝子プローブの安定発現株取得に成功し、6のE3遺伝子プローブで特異的と思われる基質候補分子とそのユビキチン化部位の同定に成功している。また、刺激依存的、刺激後の時間依存的な基質候補分子の同定にも成功している。
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