今回私たちは、神経細胞遊走障害を伴う遺伝性疾患に共通する創薬標的を微小管分子モーターに関連した細胞内物質輸送および分子ダイナミクスを指標に探索した。本研究は、これまでに私たちが同定した細胞質ダイニンを含む輸送複合体の荷台となる微小管フラグメント(tMT)とパーキンソン病等の神経変性疾患に於いて特徴的な構造体であるレビー小体を形成するα-シヌクレインが微小管上で挙動を共にしていることを明らかにした。今後は、α-シヌクレイインの変異あるいは欠損によって顕著なる神経細胞遊走障害が見られるかどうか、さらには、その遊走活性の低下を回復あるいは改善させる低分子化合物の網羅的なスクリーニングを行う。
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