ATL患者16例および健常者11例の糞便サンプルを用いた16SrDNA次世代シークエンス解析を行い、ATLにおける腸内細菌叢の関与を検討した。その結果、ATLでは、免疫機能に重要な働きをもつビフィドバクテリウム属が低下しており、ATLで見られる免疫能の低下との関連が推測された。また、バクテロイデス属などの日和見菌が増加し、また制御性T細胞を分化誘導するクロストリジウム属細菌が増えていたことは、これらが免疫系に何らかの影響を与え、HTLV-1感染細胞の増殖を促進している可能性が推測された。従って、腸内細菌叢は、ATLの予防、診断、治療に有望な標的となると考えられ、今後の更なる解析が必要である。
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