研究課題/領域番号 |
15K15090
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
松岡 正明 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70222297)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 14-3-3 / 14-3-3 sigma / 非定型的細胞外分泌 |
研究実績の概要 |
Transient tansfectionにより生じる細胞毒性により死滅した細胞から細胞外に放出された14-3-3タンパク質が、14-3-3の細胞外分泌アッセイ結果に多大な影響をあたえるため、Transient transfectionの系を断念した。代わりに、F11神経細胞を用いて、14-3-3遺伝子を継続的に発現するstable transformant を樹立した。 このアッセイ系を駆使して、本年度はまず14-3-3sigmaに加えて、14-4-4 beta, eta などの14-3-3分子種はすべて分泌されるタンパク質であることを 確認した。次に、これら他の14-3-3分子が14-3-3sigmaと同様な機能を持つかどうか検討した。その結果、CLSPの細胞死抑制活性を抑制する分子であることが判明した。さらに、上記のアッセイ系を用いて、代表的な分子14-3-3sigmaの細胞外分泌のメカニズムの解析を開始した。まずこのタンパク質の分泌がconventional pathwayあるいはunconventional pathwayかどうかを検討するため、conventional pathway経路を抑制するBrefendinを作用させたところ抑制しなかった。この結果は14-3-3sigmaの分泌はuncoventional secretion pathway がメインの分泌経路であることを支持する。現在、uncoventional secretion pathwayの代表であるCUPSの中心的な構成分子であるGraspをノックダウンするための有効なsIRNAを作製し、14-3-3sigmaの細胞外分泌に対するGRASPノックダウンの影響を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第一に、Uncoventinal secretion pathway経路に関する実験では、transient transfectionではartificialな細胞外分泌が起こるたため、実験系をstable transformantにする必要性が生じた。その作成に予定外の時間を要した。
第二に、内在性Graspの発現を検出する抗体が存在しないという技術的な制約から、Grasp siRNA作成に時間を要した。
第三に、初年度の検討により、14-3-3sigma以外の14-3-3分子種も分泌されることを見いだしたため、sigma以外のbetaその他の14-3-3分子種も同時に解析する必要が生じた。このため、これら分子のstable transformantも同時に作製し生物学的性質を解析する必要性が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、14-3-3sigmaあるいはその他のいくつかの14-3-3分子種のstable transformantを用いて、現在までに報告されているUnconventinal secretion pathwayのうち、CUPSの径路を中心として検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績で述べたように、14-3-3タンパク質stable transformantの作成、Grasp siRNA作成、14-3-3sigma以外の14-3-3分子種のstable transformantの作成、に時間がかかったため実験が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
現在までの研究成果として整った実験系を駆使して、今後、当初予定していたメカニズム解析を行なう。
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