研究課題
本研究は包括的および網羅的メチル化解析により、8インプリンティング異常症において複数のメチル化異常を示すMultiple Imprintinf Disturbance (MLID)の頻度を明らかとすること、インプリンティング異常症発症機構を明らかにすることを目的とした研究である。我々はこれまでに集積した8インプリンティング異常症約1300名に対し、8インプリンティング異常症責任Differential methylated region (DMR) に対する包括的メチル化解析を行い、38名のMLID症例を同定した。これら、全MLID症例に対し、Infinium Human Methylation 450K BeadChip kit (イルミナ社)を用いた網羅的メチル化解析を施行し、そのうちメチル化可変領域に存在する約750のプローブについてメチル化状態を検討した。14番染色体インプリンティング異常症であるKagami-Ogata症候群 (KOS)とTemple症候群 (TS14) についての網羅的メチル化解析の報告はこれまでになかった。我々はエピ変異で生じたKOS 5症例、TS14 4症例の網羅的メチル化解析を施行し、世界で初めてTS14においてMLIDを同定し、報告した(Kagami et al. Genet Med. 2016)。これらのMLID症例において、既知のMLID責任遺伝子には変異を認めず、epigeneticな原因もしくは未知のgeneticな原因により生じたと予想された。また、同定されたさまざまなMLID症例の中には、構造異常である片親性ダイソミー症例や欠失症例も含まれ、インプリンティング領域間の相互作用の破たんがMLID発症に関連することを示唆した。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 3件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
J Clin Endocrinol Metab.
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