研究課題
認知症患者は現在国内で462万人と推計され、深刻な社会問題となっているが、申請者は血清中に存在する数種のmiRNAによって、ADの血清診断の可能性を見出した。具体的にはこれまでの申請者の結果から、アミロイドが沈着するAD患者の血清中のmiRNAプロファイルと、α-シヌクレインが沈着するDLBはmiRNAのプロファイルが異なる可能性が示された。この事実はエクソソームのプロファイルにも差がある可能性も示唆する。一方、今年度は、miRNA検査の臨床応用を目指して以下の項目の検討を行った。(1)検体採取・保存法の相違がmiRNA検出量に及ぼす影響:検体の採血・保存方法は各施設によって異なることが予想される。血漿・血清検体の採取方法や保存方法の違いが与える影響について検討した。検体の分離方法や保存条件により生じる結果のばらつきや個人差によるばらつきを補正するために、一般的に、外来性因子としてC.elegans由来のmiRNA(cel-miR-39)を混入した後にRNAを抽出し、qPCRの結果をcel-miR-39の検出量によって補正する方法が用いられている。しかし、補正因子も保存中に分解する可能性がある。そこで、ボランティアの血漿と血清にcel-miR-39を加えて、検体の個体差や保存条件、分離方法によるcel-miR-39の安定性に及ぼす影響について検討を行った。その結果、同一個体由来であっても血漿と血清ではcel-miR-39の検出値に差が認められた。さらに、14日間4℃で保存することにより、全ての検体でcel-miR-39の減少が認められた。(2)内部標準miRNAの検討:近年、外部標準物質としてcel-miR-39による補正方法は広く用いられている。しかし、(1)の結果でも示されたように外部標準物質として加えたcel-miR-39は、4℃、14日間の保存によって分解される。そこで、本研究項目にいては、同一検体内において補正因子となり得るmiRNAの検索を行った。その結果、miR-8059 及びmiR-6131が内部標準miRNAの候補として考えられた。
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