高濃度グルコースへの暴露は、好中球細胞外トラップ(NETs)の形成を亢進させた。同じ浸透圧のマンニトールや2-デオキシグルコースではNETsの形成は亢進しなかった。ポリオール経路に関わるアルドース還元酵素の阻害薬が、高濃度グルコースにより誘導されるNETs形成を有意に阻害した。血清中のNETsは、コントロール良好な糖尿病患者で健常者に比べて有意に上昇していた。糖尿病患者では高血糖のためNETs形成が亢進し、これにはグルコース代謝のポリオール経路が関与している。糖尿病患者は、コントロールが良好であっても、食後高血糖により生体内でNETs形成が亢進している可能性が示唆された。
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