研究分担者 |
石田 孝宣 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (00292318)
多田 寛 東北大学, 大学病院, 講師 (50436127)
宮下 穣 東北大学, 大学病院, 助教 (60710788)
渡部 剛 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70451573)
大内 憲明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90203710)
|
研究実績の概要 |
現在、乳癌の治療はそのサブタイプに応じて治療を選択することが必要であり、そのなかでLuminal AとLuminal Bの区別が最も重要でありかつ難しくなっている。多遺伝子解析に行うことは出来るが、高価であるがゆえに実臨床で用いるのが難しい。一方で現行のDAB法では真にER,PgR発現量を精度よく判定できているかは疑問の残るところである。よって我々は独自の蛍光ナノ粒子を用いた高精度蛋白定量法を用いて核内ER、膜型ER、さらにはPgRについてもその発現量を定量化し、より精度よくER,PgR発現を見ることで予後に与える影響を明らかにすることを目的とした。 前年度に確立された染色条件を用いて、乳癌細胞株(MCF-7,BT474,ZR-75-1,MDA-MB231)で通常のDAB染色と蛍光ナノ粒子を用いたIHCを施行し対比したところ、DAB染色に染色性と、蛍光ナノ粒子のスコアは相関関係にあった。続いて、FACSにてERの抗原量を測定し蛍光ナノ粒子のスコアを対比したところ、強い正の相関を認めた(R:0.98)。同様の検討をPgRに関して行ったところ、こちらも強い正の相関を認めた(R:0.94)。 本検討から、ER、PgRに関して核内・膜型を問わず高精度に定量化することに成功し、従来のDAB法と比較して精密のその多寡を評価することが可能であることを証明した。一方で、蛍光ナノ粒子を用いた検査法をすることによって、(臨床予後予測がより正確にできる)ことや(ホルモン療法の効果をより正確にできる)ことなど、具体的な臨床的メリットを証明することは困難であった。
|