この研究では、赤内期からガメトサイト移行する時、(1)マラリア原虫が細胞内に脂質膜と油滴状の中性脂質を栄養素として貯蔵すこと、(2)より長い不飽和脂肪酸の含有率が増えていること、(3)不飽和脂肪酸を培地に加えるとガメトサイトの量が増えることを明らかにした。また(4)中性脂質分解産物であるグリセロール添加実験では、リン脂質にラベルされたグリセロー組み込まれており、グリセロール骨格の再利用が行われていることもわかった。 これらの知見は、原虫が脂質の再利用と脂肪酸種を変化させることで蚊のステージにおける栄養環境と温度変化へ適応していることを示し、伝播抑制の観点から、将来の薬剤開発に役立つと考えられる。
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