研究課題/領域番号 |
15K15121
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉田 栄人 金沢大学, 薬学系, 教授 (10296121)
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研究分担者 |
伊従 光洋 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20608351)
都野 展子 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (60295102)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マラリア / ハマダラカ / 唾液 |
研究実績の概要 |
今年度は、AAPPを免疫したマウスにスポロゾイトを吸血感染させることにより、蚊唾液タンパクに対する免疫応答のマラリア感染における役割を検証した。AAPPは大腸菌で発現、精製した後、AlumアジュバントとともにBalb/cマウスに3回免疫した。ネズミマラリア原虫としてGFP発現型Plasmodium bergheiを使用し、感染蚊を介してマウスに吸血感染させた。免疫マウスとナイーブマウスの感染率を血液塗抹標本で評価したところ、いずれの群でも全てのマウスが感染したが、免疫マウス群はナイーブマウス群に比べ潜伏期が有意に遅延し、感染後の感染率も有意に抑制された。本結果から、我々はマラリアベクターの唾液成分に対する免疫応答を誘導することによりマラリア感染を抑制するという、新しいコンセプトのマラリアワクチン開発戦略を指示するデータを得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「ハマダラカ唾液に対する宿主免疫応答がハマダラカの吸血行動およびマラリア感染を制御する」との仮説の裏付けを取ることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
吸血あるいは唾液腺ホモジネート、組換え唾液タンパク、バキュロウイルス粒子ワクチン等の能動免疫、抗唾液タンパクモノクローナル抗体の受動免疫を行った後、マラリア感染蚊の吸血チャレンジ感染を実施する。解析は、①血清の抗AAPP抗体価および血小板凝集阻害活性の測定(Assay 1)と②マラリア感染率、プロービング回数、産卵数を指標に唾液成分に対する宿主免疫応答が与えるマラリア感染およびハマダラカ吸血行動に対する影響の解析 (Assay 2)よりなる。
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