感染地域住民には、吸血だけではマラリア感染防御あるいは吸血行動阻害をもたらすような強い宿主免疫応答は誘導されていない。この理由として、(1)唾液に含まれる様々なアレルゲンによって宿主免疫応答は攪乱・脆弱化を強いられ、さらに(2)機能性唾液タンパクの活性部位は宿主免疫応答を巧妙に回避するようにマスクされているため、無関係な部位にのみ抗体は産生されると考えている(仮説)。前述の仮説に立ち、独自に発見した唾液タンパクをワクチン抗原分子としてアレルギー反応や“デコイ”障害を乗り越える全く新しいコンセプトのマラリアワクチン開発に挑戦する。
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