研究課題
本研究では、マラリア肝細胞期モデルを用い、宿主細胞の活性化を可視化して生体イメージングを行う技術開発を目指した。細胞内刺激伝達分子MAPキナーゼERK分子とカルシウムセンサー活性化を、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)技術を応用して検出する。ERKとカルシウムセンサーは、それぞれFRETのトランスジェニックマウスEisukeマウスとYC3.60マウスを用いる。Eisukeマウスは、C57BL/6マウスにバッククロス中である。YC3.60マウスは、卵白アルブミントランスジェニックマウスOT-Iと交配し、YC3.60/OT-Iマウスを作成した。YC3.60/OT-Iマウスを麻酔し、多光子レーザー顕微鏡で脾臓を観察した。観察中に卵白アルブミンを免疫し、T細胞のカルシウムシグナル検出を試みた。CFPとYFPの検出器の感度を調整し、まら解析ソフトを調整し、T細胞の活性化に伴うカルシウムシグナルの検出に成功した。また、多光子レーザー顕微鏡によるFRETシグナルの解析に必要なMetaMorphソフトを更新して整備した。
3: やや遅れている
研究に必要な材料を整え、モデル抗原を用いて多光子レーザー顕微鏡によるFRET検出に成功して実験の目処をつけることができた点は評価できる。しかしながら、マラリア肝細胞期のFRETイメージングを行うまで至らず、進捗状況はやや遅れていると自己評価した。
平成27年度の研究により、多光子レーザー顕微鏡を用いたFRETイメージングに成功し、本実験にはいる準備は整えることができた。マラリア肝細胞期の免疫防御に関する実験は、いつでもできる準備が整っている。今後は、これらを組み合わせ、マラリア肝細胞期における宿主細胞の活性化をFRETにより生体イメージングを行う本番実験を行う。実験条件を整えてきれいなイメージングを行うよう努める。
平成27年度の経費で端数が生じたため。
平成28年度の経費として使用する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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