研究課題
長崎県で採集されたヤマアラシチマダニ、タカサゴチマダニ、タカサゴキララマダニ、北海道で採集されたオオトゲチマダニ、ヤマトマダニからDNAを抽出し、ダニのゲノムDNAをフラグメント化したのち、cDNAライブラリを構築した。Ion proton(Thermo Fisher)でcDNAのシークエンシングを行い、翻訳産物に最も近縁となるウイルスのアミノ酸配列を検索した。その結果、ダニのゲノム中からssRNAウイルス、dsRNAウイルスに属する多様ウイルス類似の配列が見つかった。ssRNAウイルスでは、Orthomyxoviridae科、Phenuiviridae科、Rhabdoviridae科、及び未分類の直鎖状RNAゲノムを持つウイルス、環状RNAゲノムを持つウイルスに近縁の配列が見つかった。Orthomyxoviridae科Quaranjavirus属、Phenuiviridae科Phlebovirus属、Rhabdoviridae科のウイルスは、昆虫、またはダニによって媒介されるアルボウイルスを含む群である。直鎖状RNAゲノムを持つWuhan Tick Virus 1、環状RNAゲノムを持つBole Tick Virus 3とTacheng Tick Virus 4は、ともに近年、中国から報告されたウイルスである。オオトゲチマダニおよびヤマトマダニのゲノムからは、dsRNAウイルスであるTotiviridae科のウイルスに近縁な配列が見つかった。また、ヤマトマダニのゲノムからは、dsRNAウイルスで分節ゲノムを持つ、Reoviridae科Sedoreovirinae亜科Orbivirus属のウイルスに近縁な配列が見つかった。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
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