ヒト免疫不全ウイルスイルス(HIV)の複製に必須な逆転写過程をリコンビナント逆転写酵素蛋白およびin vitro 合成ウイルスRNAを用い、無細胞条件下での逆転写再構築アッセイ系の樹立に成功した。このアッセイ系を用いて、(1)HIV RNAの5’末端のグアニン(G)の数が、1stストランド転移に重要であること(2)HIVは、逆転写反応において最も効率の良い鋳型RNAである5'-端にGを一つ有するRNAをウイルス粒子に選択的にパッケージングすることを世界に先駆けて見出した。本研究結果は、HIV逆転写制御に関与する新規の分子基盤とウイルスゲノムの転写機構との共進化を示唆する新規知見を提示した。
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