ウイルス粒子表面に多数存在するヘマグルチニン(HA)を標的とした特殊環状ペプチド(inhibitor of HA: iHA)の開発を進め、H1N1、H5N1の増殖を阻害する特殊環状ペプチドiHA-100を取得している。H5N1の動物感染モデルを用いてiHA-100の治療効果を検討し、発症後の投与においても有意な治療効果を確認した。iHA-100投与カニクイザルの肺では炎症性サイトカイン(IFN-ganma, IL-6)およびケモカインの量が有意に減少しており、iHA-100投与により炎症が抑制されていることが示された。iHA-100の病態抑制機序について解析を進めていく予定である。
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