本研究では、睡眠不足による局所の神経活性化が、どのような経路、分子機構で、どの部位の血管の炎症回路の活性化を制御して臓器の恒常性をコントロールするのかを詳細に解析した。その結果、慢性ストレスによって中枢神経系病態が大きく変化することを見出した。通常、重力ゲートウェイ反射によってL5背側血管から侵入する病原性CD4+ T細胞は、慢性ストレスによって異なる部位の血管から中枢神経系に浸潤する。この結果は、「病は気から」の分子機構の解明に繋がる研究成果であり、ゲートウェイ反射研究の追求によって、局所神経の活性化や遮断によって特定の病気を処置するといった全く新しい治療戦略の開発に繋がることが期待できる。
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