本研究は1次がん薬物療法に不応となった切除不能進行または再発固形がん患者とその主治医を対象に質問紙を用いて行った横断研究である。148人の同意患者のうち135人(91.2%)から回答を得た。回答者のうちがん薬物療法で治癒する可能性がないと回答した割合は39.3%であった。単変量解析において年齢、性別、End-of-Life discussionの有無、治療の好み、療養場所の希望などの患者背景や患者の好みががん薬物療法の効果の認識と有意な関連があった。多変量ロジスティック回帰分析による補正後も、性別、医師のコミュニケーション評価はがん薬物療法の効果の認識と有意な関連を認めた。
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