研究課題/領域番号 |
15K15166
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
錦織 宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10463837)
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研究分担者 |
柴原 真知子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40625068)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 臨床実習 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、6月から9月にかけて30を超える京都大学医学部/医学系研究科の全臨床系診療科(内科・外科・小児科・産婦人科・精神科等)の臨床実習担当教員(原則として准教授・講師・助教の職位にある教員)と、個別に1時間ー2時間ほどのミーティングを行った。そこでは、現在の臨床実習の状況に関する聞き取りを行うのみならず、診療参加型臨床実習を進めるにあたって「実現可能な」ゴールを共同で設定し、またそれぞれの診療科の文脈に合わせた形で利用可能な医学教育学のエビデンスを適宜提示しながら、今後のそれぞれの診療科における臨床実習をどのように展開していくべきかについて話し合った。また、ポートフォリオを用いた臨床実習の支援および評価を進めるにあたって、現在、各診療科でどのような教員の体制で、どのような学生評価が行われているのかについても聞き取りを行い、それらを系統的にまとめた。そしてIT(Information Technology)に関心を持つ教員がいるかどうかについての調査を行い、もし関心を持つ教員がいた場合は、電子ポートフォリオのパイロット運用についての依頼を行った。また、ポートフォリオに必須のメンタリング制度の運用を行うため、上記の臨床系全診療科に対してメンターを担ってくれる教員を公募し、各診療科から少なくとも1名が参加する形で、メンター制度の運用が本格的に開始された。これによってポートフォリオに必須とされる「臨床実習で得た経験の振り返り」をサポートする体制が少しずつではあるが、構築されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現場の臨床実習担当教員とのミーティングをすすめることができたため、現場の状況を十分に把握した形でのポートフォリオの形態が見えてきている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、全学の学生支援センターと協働するかたちで、ポートフォリオを基盤にした学生支援のあり方をさらに探っていく。またメンタリングにおける教員の負担などについても、実際の運用をもとにデータが集積しつつあるので、その分析と考察を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
現場との距離を重要視したため、平成27年度は臨床実習の担当教員とのミーティングを行うことに時間を割いた。そのため、当初予定していたポートフォリオに関わる費用は、平成28年度以降に使用する計画とした。
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次年度使用額の使用計画 |
ポートフォリオを実際に使用した際の聞き取り調査の内容の分析、また国内外のポートフォリオの使用例に関する調査費用
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