初期研修医6名に対し、手本となる指導医とその影響について、パイロットインタビューを実施した。研修医は、複数の指導医をお手本としていたが、全てではなく指導医のある要素について注目していた。その要素から、研修医は自分には出来ていないことの"憧れ"と同時にできるようになりたいという内的モチベーションを惹起していた。 優れた指導医を抽出するための評価表の信頼性を検証した。2013年6月から2015年11月の間、全国の16の大学病院および臨床研修指定病院において、初期臨床研修医が匿名でローテーション終了時前後1週間で、指導を受けた指導医(6年目以上)を評価した。先行研究でModified Delphi法を用いて内容妥当性を担保した指導医評価表(25項目)を使用した。探索索的因子分析(最尤法、Promax rotation)で因子を抽出し、その後、共分散構造分析にて確定的因子分析を行い、評価表の内部構造を検証した。一般化可能性理論を用いて、信頼性を担保するために研修医からの評価が何枚必要かを検証した。16臨床研修病院(1大学病院、15市中病院)から304名の指導医評価を行い、計1368評価表を集めた。結果、132名の指導医が4回以上の評価を受けていた。(計1093評価表)日本における妥当性(内部構造)が検証された臨床指導医評価表(JaCTES)を開発した。文献を確認する範囲で、アジア初の内容妥当性、内部構造(信頼性)の検証された臨床指導医評価表である。(Medical Teacher in Press)
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