研究課題/領域番号 |
15K15180
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
北得 美佐子 関西医療大学, 保健看護学部, 准教授 (50635844)
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研究分担者 |
宇田 賀津 関西医療大学, 保健看護学部, 助教 (00636102)
築田 誠 関西医療大学, 保健看護学部, 助教 (40617594) [辞退]
石野 レイ子 関西医療大学, 保健看護学部, 教授 (60321220) [辞退]
丸上 輝剛 関西医療大学, 保健看護学部, 助教 (40760012) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | がん患者 / 在宅療養 / セルフマネジメント / 講座 / 機関紙 / がんとの向き合い / 生活の質 |
研究実績の概要 |
【目的】がんを患う地域住民を対象に公開講座および機関紙の発行を行い、セルフマネジメント能力の向上および交流の活性化を目指した介入研究を行った。 【方法】 H27.10~H28.3。公募に応じた28名(講座10名、機関紙18名)を対象に、セルフマネジメントに必要な情報として「症状マネジメント」「リハビリテーション」「補完代替療法」「緩和ケア」「医療費・保険」についての講座を開催し、終了後に交流会を30分を設けた。機関紙は講座の内容を冊子化した逐語録を添え質疑応答も含め同等の量の情報を提供した。受講前後のがんとの向き合いについては日本版 Mental Adjustment Cancer Scale(以下,MAC)、生活の質については『がん患者用QOL調査票』を自記式調査票を用いて調査した。 【結果】受講前19名(講座7名、機関紙12名)、受講後17名(講座9名、機関紙8名)から回答が得られた。平均年齢は65.4±10.3歳。受講開始時に16名(84.2%)が、現在の生活に「問題がある」と回答した。MACは講座、機関紙ともに『主体的な療養姿勢』と『予期的不安』が低下した。がん患者のQOLについては、「身体症状」「精神症状」「生活面」全てが講座・機関紙による受講後に改善し、機関紙による受講者の「生活面」で有意差(P<0.05)がみられた。 【考察】MACの変化は、セルフマネジメントに関する知識を身につける過程で主体性はやや低下したが、不安要素が解決でき、がんの罹患を意識し過ぎず生活できる人があったと考察した。がん患者のQOLについては、「身体症状」「精神症状」ともに機関紙受講者の方が改善率が高く、個々に適した情報提供があれば、受講形式に関係なく生活上の問題解決の手掛かりを得る一つの手段となることが示唆されたと考える。今後も講座を継続し、多くの対象者から示唆を得る必要がある。
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