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2016 年度 実績報告書

危険ドラッグの神経メカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K15182
研究機関京都大学

研究代表者

金子 周司  京都大学, 薬学研究科, 教授 (60177516)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード薬物依存 / 薬剤感受性
研究実績の概要

N-[[1-(5-フルオロペンチル)-1H-インダゾール-3-イル]カルボニル]-3-メチル-D-バリンメチルエステル(通称5F-ADB)は2014年秋に流通し、我が国で100名近くの死亡者を生み出した合成カンナビノイドである。その精神毒性と身体毒性の本質を明らかにするため、我々はマウス中脳スライス標本からパッチクランプ法によってドパミン神経ないしセロトニン神経の活動を記録し、急性処置した5F-ADBの作用を検討した。5F-ADBは1μMという低濃度でドパミン神経の発火を増加させ、その作用はCB1受容体遮断薬のAM251(1μM)によって完全に遮断された。一方、セロトニン神経の自発発火に対して5F-ADBは何ら作用を発揮しなかった。なお、セロトニン神経の同定は発火パターンに加えて記録ピペット内に吸引されたmRNAをTPH2プライマーによってRT-PCRで増幅して行った。さらに、セロトニン神経の自発発火はCB1受容体遮断薬AM251によって影響されなかったことから、セロトニン神経はCB1受容体により持続的な抑制を受けていないことが示された。以上の結果から5F-ADBはCB1受容体の活性化を介してドパミン神経を活性化させることで陶酔感をもたらし精神依存性を来すが、中脳セロトニン神経の活動性には影響がなく、一見セロトニン症候群のように見える身体毒性は別の機序によって起こるものであることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A new designer drug 5F-ADB activates midbrain dopaminergic neurons but not serotonergic neurons.2016

    • 著者名/発表者名
      Asaoka N, Kawai H, Nishitani N, Kinoshita H, Shibui N, Nagayasu K, Shirakawa H, Kaneko S
    • 雑誌名

      Journal of Toxicological Sciences

      巻: 41-6 ページ: 813-816

    • DOI

      10.2131/jts.41.813

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 危険ドラッグ5F-ADBのドパミン・セロトニン神経活動に対する作用2016

    • 著者名/発表者名
      浅岡希美
    • 学会等名
      第130回日本薬理学会近畿部会
    • 発表場所
      京都大学百周年時計台記念館(京都府京都市)
    • 年月日
      2016-11-19 – 2016-11-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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