癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblasts; CAF)は、癌の増殖・生存・悪性化に関与することから、癌治療における重要な標的である。本研究では、腫瘍溶解性ウイルスであるレオウイルスが、CAFに対し殺細胞効果を示すか検討した。マウス皮下腫瘍より単離したCAFの生存率は、レオウイルス作用後、50-60%まで減少したことから、レオウイルスはマウスCAFに対し殺細胞効果を有することが明らかとなった。一方で、レオウイルスは通常の線維芽細胞に対しては殺細胞効果を示さなかった。さらに、担癌マウスにレオウイルスを静脈内投与したところ、アポトーシスを起こしたCAFが検出された。
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