研究分担者 |
田崎 雅義 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (50613402)
植田 光晴 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60452885)
三隅 洋平 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80625781)
山下 太郎 熊本大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90381003)
大林 光念 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90361899)
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研究実績の概要 |
これまでの研究から以下の事が判明した。 1.血清中の炎症性サイトカイン濃度の比較検討:FAP患者、健常各20名の血清中に含まれるIL-1β,IL-6,IL-12 といった炎症性サイトカインの濃度をELISA法により測定、比較検討したところIL-6がFAP患者で上昇していた。 2.患者組織アミロイドでの補体の検索:患者の組織検体を用いてアミロイド中での補体の共存を検討したところ、アミロイド中に高率にC5aが共存していた。 3.FAPモデルマウスに対する補体阻害剤の効果:上記の解析結果で病態との関連が強い補体に対する阻害剤をモデルマウスに投与し、病理学的な変化や表現型に及ぼす影響を検証してみたが有意な変化は検出できなかった。 4.末梢血単核球のフェノタイプ解析:FAP患者、健常者から採血を行い、Ficollによる PBMCの分離後、フローサイトメトリーによる解析を行う。発現を調べるマーカーとして、CD4,CD8,CD19,CD14に対する抗体を用いてT細胞、B細胞、単球などの一般的な免疫細胞の割合を算出した。更に、これらのマーカーと組み合わせて、CD16,CD163,CD206,IFN-γ, IL-4,IL-17,Foxp3等のマーカーの検出も行ったところ、炎症性の単球や炎症性のT細胞の上昇傾向が認められた。 総合的にFAP患者では、「 micro inflammation 」がおこっており、それを制御する事が治療につながると判明した。
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