研究課題/領域番号 |
15K15214
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
大倉 保彦 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (80369769)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 画像再構成 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
断層像と投影データをシミュレーションにより作成するために、高速な並列演算処理が可能なコンピュータを導入した。核医学領域のシミュレーションソフトウェアGATEをインストールし、ファントムの設定、線源の設定、検出器の応答特性の設定など行うことで、シミュレーションによって投影データを得られるシステムを構築した。 また、投影データから断層像を得る画像再構成ソフトウェアを開発した。基礎的手法としてフィルタ補正逆投影法および逐次近似法(MLEM)で再構成できるソフトウェアを開発した。 つぎに、構築したシミュレーションシステムが正しく動作するかを検証する実験を行った。ロッド状の線源をもつファントムを設定し、構築したシミュレーションシステムによって、ステップ角を2度と設定して、投影データをシミュレーションによって得た。 開発した画像再構成ソフトウェアによって再構成処理を行い、再構成された画像データと、シミュレーションシステムに設定した数値ファントムを比較した。ロッド径を2mmから16mmまで変化させ、また、ロッド数を2から16まで変えたファントムで検証したところ、シミュレーションシステムに設定したファントムと、作成された断層像は、統計的変動による変動を除けば、一致していることが確認できた。 さらに、導入したコンピュータに、機械学習のシステムを構築するため大規模なニューラルネットワークを構成可能なフレームワークを構築した。試験的に数値ファントムの投影データを入力として、オートエンコーダを作成した。オートエンコーダのデノイジング効果によってノイズが低減できることが確認できた。これまでの開発および実験によって、本研究を推進するための基盤システムとその検証ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した段階と比較して、おおむね予定は達成している。
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今後の研究の推進方策 |
画像から投影データを得て、機械学習のために「訓練」用の投影データを作成するプログラムを開発し、投影データを可能な限り多く得る。 また、再構成アルゴリズムを考案し、システムとして構築する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画当初に予定していた計算能力をもつコンピュータが、より安価に入手できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
ノート型コンピュータおよびデスクトップ型のコンピュータをそれぞれ複数導入し、同時に複数の実験を行うことを可能とする予定である。
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