研究課題/領域番号 |
15K15219
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60240355)
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研究分担者 |
村木 重之 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (40401070)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60401064)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 血清25-hydroxyvitamin D値 / 要介護 / コホート研究 / メタボリックシンドローム / サルコペニア / 骨粗鬆症 / ロコモティブシンドローム |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の運動器障害や生活の質(QOL)の維持および要介護予防を目的として2005年から追跡を続けている大規模住民コホートにおいて、対象者に10 年目の追跡調査を行い、25-hydroxyvitamin D(25D)値の測定結果および蓄積されたデータを解析して、25D値の要介護移行率への影響を解明する。加えて、要介護の原因としての脳血管障害、認知症、高齢による衰弱(フレイル)、骨粗鬆症(OP)による骨折、関節症のそれぞれリスクをあげる原因疾患であるメタボリック症候群(メタボ)、軽度認知障害(MCI)、サルコペニア(SP)、OP、OAへの有病率、発生率への影響を明らかにし、要介護予防対策におけるビタミンD(VD)の充足の重要性の有無についてエビデンスを得ることを目的としている。 本年度は山村コホートにおいて10年目(4回目)の調査を実施し、調査時に同意の得られた参加者から、OP、OA、筋肉減少症(サルコペニア、SP)、骨折の判定に必要な骨密度検査、X線検査、筋量検査、握力測定を行った。加えて、25D測定のための血清サンプルも採取し、ディープフリーザーに保存した。これにより、山村、漁村における10年の追跡調査が完了した。 本年度は、山村、漁村の7面目までの追跡調査結果を用いて、OPの存在が将来のSPの発生のリスクを有意に上昇させるなど、要介護の五大疾患の間の相互作用について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、漁村における10年目の調査として、骨粗鬆症、変形性関節症、筋肉減少症、骨折の判定に必要な骨密度検査、X線検査、筋量検査、握力測定を行った。25D測定のための血清サンプルも採取し、ただちにディープフリーザーに保管した。これらは予定通りに進捗した。これにより、山村、漁村の10年目の追跡調査が終了した。 血清サンプルのIDの確認が遅れているために、25Dの測定は平成29年度に繰り越したが、計画全体の進捗に変更はない。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は本研究の最終年度として、10年目の検診で得られた血清サンプルの25D を測定する。 その後、過去3回の調査結果と4回目の調査結果を結合し、要介護の発生、フレイル、ロコモ、メタボ、MCI、SPの有病率、発生率を明らかにする。さらに測定した血清25D値によりVD不足症、VD欠乏症が要介護の発生と関連するかどうか、要介護の原因となるメタボ、MCI、フレイル、OP、OAの発生に影響するかどうかを明らかにする。これにより、VDと要介護の5大原因との関連についてエビデンスを得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の検診にて、検診参加者の血清サンプルは採取できたが、その後のIDの確認が遅れたため、本年度中に血清25Dの測定にいたらなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
血清25Dの測定は平成29年度に繰り越す予定であるが、本研究計画全体の進捗に変更はない。
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