研究課題/領域番号 |
15K15220
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
佐田 文宏 中央大学, 保健センター, 常勤嘱託医師 (90187154)
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研究分担者 |
岸 玲子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, センター特別招へい教授 (80112449)
荒木 敦子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 准教授 (00619885)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 環境疫学 / メンデル無作為化解析 / DOHaD学説 / 胎児期リスク評価 / 遺伝・環境交互作用 |
研究実績の概要 |
1)既存の出生コホート研究「北海道スタディ」の所有する両親の喫煙状況及び児の身長・体重等の発育等に関するデータ、測定した化学物質のデータ(PCB・ダイオキシン類、水酸化PCB、有機フッ素系化合物(PFOS, PFOA他)、葉酸、臍帯血ホルモン濃度のデータ、異物・ステロイド代謝・肥満関連遺伝子の一塩基多型(SNP)約100種類のデータを用い、遺伝・環境相互作用の解析を行った。特に、機能変化が証明されたもの、疾患との関連のエビデンスが確実なものから、メンデルランダム化解析の際、環境曝露の代用となり得る可能性のある候補を選定し、解析を進めた。 2)Developmental Origins of Health and Disease(DOHaD)の概念に基づく、最新の疫学研究の情報収集のため、国際DOHaD学会、国際環境疫学会に参加し、国内のDOHaD疫学の研究者による勉強会「DOHaD疫学セミナー」を開始し、定期的に研究発表を行ってきた。また、内科懇話会、健康価値創造研究会に招待され、DOHaD関連研究や政策提言の歩みに関する講演を行い、意見交換を行った。 3)これまでに以下の研究成果の発表を行った。(1) 出生から3歳までのKaup指数の増加は、非受動喫煙者の母親から生まれた児よりも受動喫煙者の母親から生まれた児で有意に小さく、母親のCYP1A1遺伝子型は児の頭囲増加と関連がみられた。(2) 出生時体重の減少は、出生前のコチニンレベルと用量依存的関係を示した。AHR及びXRCC1遺伝子型を考慮すると、最も高いコチニンレベルの母親から生まれた児の出生時体重の減少が著しかった。(3) カフェイン摂取量とCYP1A2遺伝子型を考慮すると、AA遺伝子型とカフェイン摂取量が300mg/日である母親では児の出生頭囲を減少させた。
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