国際的に頻用されるメンタルヘルススケールであるASEBAの日本版を全年齢層に対して整備し、それぞれ論文化するとともに一般に利用可能な状況とした。 解析結果からは、児童では、米国に比べ問題行動の指摘は概して少ないが、低学年男児の攻撃的行動、思春期のひきこもりが申告されやすかった。成人では、発達特性が高い群では、自己が認識する特性が他者からの認識よりも高く、その差が大きいほどメンタルヘルスの自己評価は悪く他者評価は軽く、特に女性にその傾向が見受けられた。受診群ではその差は少なく、発達特性が強いが受診に至っていない人は、周囲から理解されにくく、その一方でカモフラージュして生活していることも窺われた。
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