研究課題
ナノテクノロジーは、新材料創出、医療応用、地域温暖化防止に関係する環境技術等に応用可能であり、社会への貢献が期待される一方、ナノ素材などの新規工業的素材の健康への影響に社会的関心が高まり、生体影響に関するリスク評価が求められている。本研究では、今後その応用が期待されているナノカーボン(カーボンナノチューブ)に注目し、動脈硬化や血管修復に対する影響を検討し、ナノカーボン投与による炎症誘導機構を解明することを目的とした。本年度は、C57BL/6J(野生型)マウスと動脈硬化モデル動物であるApolipoprotein E (ApoE)遺伝子改変マウスに、長さの違う二層カーボンナノチューブを低濃度と高濃度で14日間、咽頭内投与し、大動脈弓を、オイルレッドO溶液で染色し、動脈硬化の程度を検討した。腹部大動脈からRNAおよびタンパク質を抽出し、インフラマソーム構成タンパクであるNLRP3遺伝子の発現とカスパーゼ1およびインターロイキンI-betaの活性を分析した。二層カーボンナノチューブの高濃度投与にて、インフラマゾーム関連タンパク質であるMCP-1とICAM-1の発現が、マウスの大動脈で増加していることを確認した。また、HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)に二層カーボンナノチューブを投与し、アダプタータンパク質であるASCの細胞内での凝集度、およびインフラマソームの形成とその活性化に対する影響を分析した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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