本課題では、抗腫瘍免疫を担う「TRAIL経路」に対するタバコ成分の影響の検証を行った。まず、ヒト免疫細胞におけるTRAIL産生能に対するタバコ成分の影響を検討した。種々の条件について検討を行ったが、ニコチンのTRAIL発現抑制効果は認められなかった。また、文献から喫煙との因果関係が明らかとされているヒト膀胱癌細胞を用い、細胞増殖、アポトーシス阻害分子であるXIAP、survivinの発現量に対するタバコ成分の影響を検討した。その結果、種々の条件においても、細胞増殖促進効果は認められなかった。XIAP、survivin の発現増強に関しても、今回の膀胱癌細胞では認められなかった。
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