研究課題
挑戦的萌芽研究
カドミウム(Cd)中毒における銅の体内動態の関与を検討するため、低銅食飼育下にラットにCdを 2mg/kgの投与量で週に1回、3カ月間皮下注射した(対照には生理食塩水)。Cd投与により肝臓中銅濃度の増加、腎近位尿細管障害、血漿中鉄濃度の低下を伴う腎性貧血などが見られた。それに低銅食飼育が加わると、尿中蛋白質の排泄量の増加、貧血の程度の若干の増強傾向が見られた。従って、Cd中毒の発症において、銅欠乏状態はわずかではあるがその影響を増強する作用があることが示唆された。
重金属の毒性学