本研究では、食中毒原因毒素として報告がある一方、今まで検査が困難であったH型毒素についての検査法を確立した。また、6種類の毒素を一斉分析可能な方法を確立することで、効率的に検査を行うことが可能となった。本分析法で用いたLC-MS/MSは地方衛生研究所等で残留農薬検査等に広く用いられている分析機器である。したがって、今回確立した分析法は、地域の衛生行政を担う地方衛生研究所で実施可能な方法であり、黄色ブドウ球菌食中毒が疑われる事例に他の検査法と共に用いられることで、現在よりも適切に食中毒事例に対応できると考えられる。
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