本研究はMRSAの空気を介する院内感染の伝播を明らかにするのを目的とした。信州大学医学附属病院入院中の患者で、MRSAが検出された患者のベッドサイド周囲の空中浮遊菌を、空中浮遊菌サンプラー(Air Bio Sampler II)を用いてエアーサンプリングを行う予定であったが、対象患者の設定ができず、エアーサンプリングが行えなかった。これにより、検出されたMRSAの株の薬剤感受性および遺伝子学的背景の解析はできなかった。また、検体採取部位、抗菌薬使用、呼吸器症状、基礎疾患等を調査し、薬剤耐性菌が空気中に散布されるリスク因子を探ることができなかった。
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