法医剖検例における突然死例の法医剖検診断では、有意な所見が少なくないために死因の判断に苦慮することをしばしば経験する。これらの死因には致死性不整脈が含まれるものと考えられているが、病態の本質が機能的なものであるため、剖検診断は除外診断に頼ざるをえず、積極的診断は不可能とされてきた。ところで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)は体細胞にリプログラミングを行うことで、最終的に心筋・肝細胞等へと分化を可能とする。今回、レノックス・ガストー症候群症例より、iPS細胞を作成した。今後、この細胞の多能性を確認後、心筋細胞・肝細胞等へ分化誘導を試みたい。
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