研究課題/領域番号 |
15K15266
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
吉本 寛司 広島工業大学, その他部局等, 教授 (70111903)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 虚血 / マルチプレックス分析 / グレリン / レプチン / グルカゴン / ペプチドYY / インスリン |
研究実績の概要 |
実験動物(特にマウスC57BL/6J)の血漿または脳灌流液試料中の各種ペプチド同時分析予備実験 ①グルカゴン(血糖上昇膵臓ホルモン、肝臓グリコーゲン分解とアミノ酸からの糖新生を促し血糖上昇させる)②インスリン(血糖値を下げる膵臓ホルモン、β細胞分泌)③レプチン(脂肪細胞分泌、エネルギー消費促進ペプチドホルモン)④PYY(ペプチドYY、NPYを調節する膵臓ポリペプチド、食欲抑制作用もある)⑤レシチジン(アディポカイン、レプチンを含むサイトカイン)⑥アミリン(膵臓β細胞分泌、インスリン類似作用)の6種を選択し、アルコール投与後の変動を同時分析した。 方法:アルコール2g/kg,i.p.投与2時間後心臓血を採取し、遠心分離後血漿を得た。6種類抗体結合ビーズを加え、混合攪はん後遠心分離した。上清をマルチプレックス分光分析器にて迅速同時分析した。ペプチドYY,レプチンは有意に増加した。他の4ペプチド濃度に変化は認められなかった。Wistarラットにおいて両側椎骨動脈を電気焼灼し完全に血管を凝固させた。その後(24~48時間)総頚動脈を目視同定し、虚血クリップにより30分間結索し虚血モデル動物を作成した。プルシネリの4VO法の改良である。虚血時ラット(Wistar)視床下部グレリンは増加傾向を認めたが今回有意差は見られなかった。虚血動物は実験終了後脳組織学的検索を行い、神経細胞(海馬、側坐核等)の萎縮好エオジン染色を確認した。実験手技、設備備品の使用性能を確認し次年度の虚血時における脳腸ペプチド同時分析研究を申請する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
設備機器、手技の確立に時間を要したが、最終的には6種類のペプチド同時分析が可能となり、また虚血4血管結索法の手技を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
4血管結索モデルの再灌流障害発生機序とその時点での複数の脳ペプチドの迅速同時分析を行う。 ①グルカゴン②グレリン③インスリンは昨年のデータを参考に中心的に検討する。 一方、新規のペプチドの発現増減の可能性もあり、MS-HPLC分析の検討も加味する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年次における実験計画遂行予備実験として、動物個体数を少なく限定したペプチドキットを使用したため予算使用計画に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
マルチプレックス検体数の確保、複数のペプチドキット購入により翌年度請求した助成金を合わせて計画申請どおり使用する。
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