研究実績の概要 |
薬物、特に急性アルコール単回投与及び虚血処置によるグレリンを含む各種ペプチド及びβ-アミロイドの経時的変化について検討した。実験Ⅰ-1: 急性アルコール単回投与によるマウス脳側坐核灌流液中各種ペプチド変動:ペプチドYY及びα-アミリンは投与後0.5時間に増加ピークを示し以後減少した。グルカゴンとレシスチンの変化は認められなかった。実験Ⅰ-2: 急性アルコール単回投与によるラット血漿グレリン変動:Wistar系ラットにアルコール2 g/kg i.p.投与した。0.5, 1, 2, 4及び8時間後のグレリン量をELISA法で検討した。投与後2時間に最低値を示し8時間後に回復した。実験Ⅱ:ラット虚血モデルにおけるレプチン変動:プルシネリ法に準じて虚血負荷動物モデルを作成した。脳内ペプチド微小透析膜法を応用し虚血時の視床下部外側野の神経活動の抵抗性変化及び血漿中のレプチン量を比較検討した。視床下部外側野灌流液中のグレリン、レプチン量変化に有意差は認められなかった(検出限界)。血漿レプチン量は4VO時及び断頭時直後に有意に増加した。実験Ⅲ:急性アルコール単回投与及び虚血時のβ-アミロイド(Aβδ1-42)の変動: Wistar系ラットへ2 g/kg i.p.アルコール投与し、30, 60, 90及び120分後の血漿グレリンをELISA法で測定した。投与後60分に最大値を示しその後減少した。4VO群の視床下部外側野灌流液βアミロイド放出量は、Sham対照群に比較して一部増加傾向を示したが個体数が少なく、個体差も大きく統計的有意差は認められなかった。血漿β-アミロイドは、アルコール投与により投与後60分後に最高値を示した。急性アルコール単回投与及び虚血時の各種ペプチド及びβ-アミロイドの経時的変化を検討した。高次脳機能障害に関与するβ-アミロイドのアルコール誘導を認めた。
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