加齢性に筋量や筋力が低下するサルコペニアの介入方法の開発は重要な課題である。我々はレニン-アンジオテンシン(RA)系の構成要素であるACE2とその産生物質のアンジオテンシン1-7(A1-7)に着目し、ACE2やA1-7が加齢性の筋力低下を抑制するメカニズムを検討した。その結果、ACE2欠損がマウスの加齢性の筋力低下を増悪させること、高齢期でのA1-7投与が筋力を回復させることを見出し、メカニズムとして骨格筋における老化関連遺伝子p16の発現制御が関与する可能性を見出した。また、このような効果には従来A1-7の受容体とされるMasを介する系と介さない系が関与していることが示唆される結果を得た。
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