研究課題
平成28年度は、乳酸菌ガセリ菌CP2305の生体シグナルを惹起する菌体成分の同定を目指した。具体的にはCP2305を加熱殺菌し洗浄した菌体の抗ストレス作用を検証した。医師国家試験受験者69名(男子学生40名、女子学生29名)を2群に分け、毎日CP2305の死菌あるいはプラセボを12週間服用させた。その結果、PSQIによる睡眠の質の評価と睡眠時脳波検査を行い、CP2305のストレスによる睡眠障害作用を確認した。パルスアナライザーを用いた自律神経活動比の計測を行い、CP2305は副交感神経活動を高め、ストレスに起因する腹部症状の緩和することを確認した。さらに、末梢血の心理的ストレスマーカーであるmiR-144及びmiR-144*の発現を有意に抑制することを見出し、J Funct Foodsに投稿した。平成27年度に40-60歳代看護士 16名と70-90歳代老人18名を対象に、CP2305あるいはプラセボを12週間投与して効果を判定した。その結果の解析をもとに、栄養状態改善に使用するための組成物(特願2016-130814)、腎性貧血改善用組成物(特願2016-130811)、及び軟骨再生促進用組成物(特願2016-130847)の特許出願を行った。この成果をさらに確認するため、平成28年度に、40-80才の民間病院職員とボランテイア200名を対象に、ガセリ菌CP2305の確認実験を平成28年9月中旬から12週間の飲用実験を行った。実験は無事終了し、サンプルの測定をほぼ終了して現在データ解析を行っている。また、生菌を用いた人体解剖実習者を対象とした研究成果と過敏性大腸群患者を対象とした臨床研究の成果は、J Funct Foods とJ Appl Microbiolにそれぞれ誌上発表した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (3件)
PLoS ONE
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not yet determined
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