研究課題
本年度は、食欲関連疾患患者由来のファージディスプレイヒト抗体ライブラリの作製、解析を行った。研究代表者らはすでに、グレリン作用を増強するグレリン自己抗体の存在を明らかにしており、本研究においても食欲関連疾患患者血中に存在する食欲調節ペプチド(アシルグレリンやデスアシルグレリン、αMSH等)に対する自己抗体の存在をELISA法にて確認した。抗体は可変領域の遺伝子再配列により抗原に対する多様性を獲得する。食欲関連疾患患者由来の血液から、その可変領域であるVH領域とVL領域をリンカーDNAでつないだ一本鎖抗体(scFv)を作製した。scFvの遺伝子配列を解析し、食欲関連疾患患者の抗体ライブラリを構築した。その後、scFvの情報をファージの表面へ掲示できるファージディスプレイ法を用いて、食欲関連疾患患者由来のファージディスプレイヒト抗体ライブラリを作製した。作製した患者由来ファージディスプレイヒト抗体ライブラリを用いて、バイオパンニング法によりアシルグレリンやデスアシルグレリンに対して特異的に結合する抗体ファージを精製した。精製した抗体ファージのアシルグレリン、デスアシルグレリン各々に対する特異性や他の抗原に対する反応はELISA法を用いて測定し、グレリンに対する特異性を確認している。現在は食欲調節ペプチドに対し特異的に結合する抗体ファージを基に、食欲調節ペプチド自己抗体の遺伝子配列、構造の解明を試みている。
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Mol Psychiatry
巻: Epub ahead of print ページ: ahead of print
10.1038/mp.2015.220
日本潰瘍学会誌『潰瘍』
巻: 43 ページ: 印刷中