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2015 年度 実施状況報告書

炎症性腸疾患患者の免疫系と腸内細菌叢を移植したヒト化マウスで腸炎は再現できるか?

研究課題

研究課題/領域番号 15K15284
研究機関東北大学

研究代表者

角田 洋一  東北大学, 大学病院, 助教 (50509205)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 疾患感受性遺伝子 / 炎症性腸疾患
研究実績の概要

炎症性腸疾患は遺伝要因と腸内細菌などの環境要因から発症すると考えられ、それぞれの要因に関する検討が繰り返し行われている。しかし、それぞれの要因だけでは発症に至らず、腸内細菌と、遺伝的な免疫系の違いとの間での相互作用が強くかかわっていると予想される。しかし、実際にその相互作用を確認するために、ヒトの腸内細菌叢を変化させることも遺伝背景を変化させることも困難である。また相互作用をin vitroの実験系で再現することもできない。そこで、in vivoでこの相互作用を再現できるモデルを確立できないかと考え、研究を開始した。
本研究は、患者の腸内細菌叢と患者の遺伝的背景をもつ免疫系の両方を再現することにある。そのため、まず、モデルに必要な患者の腸内細菌叢と、その遺伝的背景についての検討を開始した。本年度では、クローン病、潰瘍性大腸炎、さらに非炎症性腸疾患患者(多くは大腸腺腫での治療目的の患者)から、腸内細菌のための腸液、さらに、血液からDNAを採取をおこなった。現時点でそれぞれ約20例の検体を採取している。予備解析では、検体間での腸内細菌叢のばらつきが非常に大きく、治療介入などの影響もあった。実際は、移植するのに適切な細菌叢・遺伝的背景をどう選択するかが問題となる。すべての検体の組み合わせによるマウスモデルでの再現は不可能であり、ヒト由来の検体を詳細に解析し、典型的と思われる代表的な最近パターンと遺伝子の組み合わせを選択するための解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

患者からの腸内細菌の採取は順調に進んでいるものの、モデルマウスの作成はやみくもに多数の検討を行うのではなく、厳密な事前の検討のうえで行う必要があるため、やや遅れている。これは、マウスに移植する細菌叢を、より疾患で代表的で特徴的な腸内細菌叢をもつものを選ぶこと、さらに最近の報告から、遺伝的背景そのものが腸内細菌叢に影響を与えている可能性があり、それを考慮する必要があることが判明したため、現在はその解析を優先している。

今後の研究の推進方策

患者の検体での解析を進め、代表的な腸内細菌叢の確認と、その遺伝的背景の影響を考慮する。そのうえで、適切な遺伝的背景と腸内細菌叢の組み合わせをマウス上で再現する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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