研究課題
肝炎ウイルスは肝細胞癌の重要な原因因子とされている。ウイルス蛋白はユビキチン化を含め多彩な修飾を受けており、その詳細は明らかにされていない。これらのうちのいくつかがウイルスの増殖に必須である可能性は高く、このような修飾を阻害する薬剤が新規抗ウイルス薬となる可能性は高い。本研究者はこれまでにヒト肝細胞キメラマウスを使用して、型炎ウイルスに関する研究を行ってきた。研究を行っていくうちに、新しいウイルス蛋白の修飾や宿主蛋白の解析に安定同位体によるラベルを行った肝細胞が有用で有り、技術的に可能であることを見い出した。安定同位体でラベルしたヒト肝細胞キメラマウスを作製し、その細胞を使用することによって様々な解析が可能となる。本研究では安定同位体を導入した食餌をマウスに与えて飼育し、マウスがラベル可能であるかどうかを検討した。マウスの種類により食事の好みが激しく、ヒト肝細胞キメラマウスでは十分な摂取が困難であることが明らかになった。現在他のマウス種によるヒト肝細胞キメラマウスを作製しており、肝炎ウイルスの感染が確認できた。今後このような新しいキメラマウスを使用してラベルの実験を行っていく。平成27年度に引き続き28年以降は、このようにして作製したマウスにB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、肝臓を増殖の首座とするウイルスを感染させ、様々な時期にマウスをsacrificeし、蛋白を抽出、nano-LC-TOF-MASにより解析する。この方法はマラリアなど、肝臓を首座とする病原体に応用も可能であり拡張性は高いと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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http://shounai.hiroshima-u.ac.jp/liver.html