約23,000の限られた遺伝子領域から10万種以上のタンパク質を作り出し、生物の多様性に寄与する選択的スプライシング機構は、高等生物に発達している。RNAプロセシングの過程で産生される中途ストップコドン(PTC)を含むRNAは、通常、細胞質におけるRNA品質管理機構により分解される。しかし、新規非コードRNAであるTranscribed UCR (T-UCR)の一部は、PTCを含むにもかかわらず、がん細胞核内に蓄積して分解を免れることを見出した。T-UCRはがん細胞において、ヌクレオリン等の核内RNA結合タンパク質の制御を受け核に局在する、新たな核内機能性RNAである可能性を明らかにした。
|