研究課題
1.動物モデルにおける基礎的検討スナネズミ(5週齢、30-40g)に心筋梗塞(MI)を作成し、4週後に心臓形態および臓器重量を評価した。左室梗塞部は菲薄化し、左室拡大と非梗塞部の壁肥厚を伴っていた。偽手術群に比べて、MI群では肺重量の増加を認めた。今までスナネズミにおけるMIによる心不全の報告はかったが、今回スナネズミで心不全モデルが作成できることを確認した。2.心不全患者におけるHP感染んの臨床的検討ヒトの心不全におけるHelicobactor Pylori(HP)感染の実態を明らかにするために、152例の心不全患者(男107例,女45 例,平均64.6±14.4 歳,LVEF 41.4 ± 15.7%)と 32 例の健常コントロール(男28例,女4 例,平均52.4±8.6 歳,LVEF 61.4± 6.0%)における血清抗HP抗体値を測定した。HP陽性率は心不全群が健常コントロール群に比べ有意に高値であった(49% v.s. 28%, P<0.05)。年齢による影響を補正するために50から69歳の患者を対象に解析したところ、心不全群は健常コントロール群に比べHP陽性率は有意に高値であった(57% v.s. 29%, P<0.05)。心不全群においてHP陽性患者は陰性患者に比べて左室拡張末期径が有意拡大していた(61.9±9.3mm v.s. 57.1±9.6mm, P<0.05)。50-69歳の心不全患者においてHP陽性と関連する因子を多変量解析で検討したところ、年齢、心房細動の病歴、中性脂肪、左室拡張末期径が独立因子であった。
3: やや遅れている
スナネズミに対する心筋梗塞作成の技術確立に時間を要したため
心不全におけるHP感染の実態を明らかにするために前向き研究を推進する。さらに、HP除菌による心不全病態への影響について評価を行う。また、スナネズミによるHP感染心不全モデルを用いて病態解明を進める。
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