様々な刺激によって誘導された血管内皮細胞老化のアレイデータから共通に誘導される分泌因子や細胞表面分子を抽出することによって、血管老化に伴って特異的に発現が亢進する11種類の候補分子を同定した。そのなかで、SAGPの発現はApoE欠失マウスや高齢マウスの動脈硬化組織においてその発現が亢進すること、動脈硬化患者の末梢白血球においても発現の亢進が認められた。興味深いことに、sh-SAGPレンチウイルスによるSAGPの欠失は、分裂寿命を短縮させていたことから、SAGPは細胞老化の進展とともに発現が亢進し、血管や脂肪組織に蓄積する老化細胞の生存に対して保護的に働いている可能性が示唆される。
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